子どもにかかわるときの接し方と考え方(その1)

子育て

前回の記事では、モンテッソーリ教育は「大人が子どもに教えない」教育なのです、と紹介しました。じゃあ大人は何もしなくても良いの?と思われるかもしれないですが、そうではないです。まずは、子どもにかかわるときの接し方と考え方を分かりやすくさっぱりとまとめました。

<1%でいいから「自分でやる」>

重要なのは、子どものやる気、目の前のことに取り組む気持ちを尊重すること。例えば服を着させるとき、こどもにおもちゃなどを渡して、その間に大人が着させてしまうことはありませんか?これでは子ども0%、大人100%になってしまい、あなたのやることではないと暗に伝えているようなもの。いつまで経ってもできるようにはなりません。いつまでも親は子どもに付き添ってあげられるわけではないし、子どもの成長を邪魔していることになります。

1%でいいから、子どもに「自分でやる」体験をさせよう。服を着させる例なら、ズボンの足は通してあげて引っ張るのを子どもに任せるとか。それも難しければ、ズボンの端をもたせるだけでもいい。大人がズボンを履くのを子どもが見ているだけでもいい。子どもの成長に合わせて、親が手伝う割合を減らしていくのです。

<「できた」が心を育てる>

「できた」を体験すると子どもは達成感を感じ、それが自信に繋がります。自信をつけた子どもは「他にもやってみよう」と新しいことや困難なことにもチャレンジします。挑戦する心が身につくのです。そして、「またできた」と何度も「できた」を繰り返して「いつの間にかすごく集中していた」という状態になります。「できた」は集中力も育てるのです。

いろいろな「できた」を経験しておけば、もしできないことがあっても「もう一度やろう。こうかな?」と、失敗を恐れず試行錯誤しながら忍耐強く頑張れるようになります。これは自分で未来を切り開く力になるのです。

また、「できた」は子どもの心を満たしてくれます。すると心に余裕ができ、人に優しくできたり、おおらかになったりします。

「ひとりで歩けた」「ズボンがはけた」「お菓子の袋を自分で開けられた」「自分でお出かけの準備ができた」「料理のお手伝いができた」など、日常生活の中でも子どもが「できた」を感じられるように関わりましょう。

<まず親が変わる>

子育てすれば実感するものですが、子どもは身の回りの人の立ち振る舞いや言葉をなんでも吸収します。しかし、子どもはそれらの善し悪しを判断することなく吸収してしまうので、親は子どもの見本となるよう子どもに関わる必要があります。

子どもにやってほしいことがあれば、親はそれを積極的に子どもに見せましょう。「ありがとう」を言える子になってほしいなら、親が「ありがとう」という姿をたくさん見せましょう。

逆に、子どもにやってほしくないことがあれば、それを子どもの前でやらないようにしましょう。親が感情的に子どもを叱れば、子どもはそれを吸収し、マネしてしまいます。ドラマや映画の残酷描写、乱暴な言葉遣いも同様ですので、子どもが目にすることがないように気をつけましょう。

「人の振り見て我が振り直せ」ではありませんが、教えることで子どもの行動を変えようとする前に、まずは親が自分自身の行動を振り返って、変えていきましょう。

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